キラキラと浮ついた空気が流れる季節に歯車として働くということ
学生の頃、大手お菓子会社でバイトをしていました。
年末年始はクリスマスやお正月などイベントが多いため、
バイト代も跳ね上がります。
ベルトコンベアーでの流れ作業で、大福をケースにいれたり、
ケーキが入ってきた箱に蓋をしめたりとひたすら黙々と行う作業でした。
初めは私が遅くなり後ろの人へ迷惑がかからないように、
リズムをつかむことで精一杯でしたが、段々出来てくると
もっと綺麗に早く簡単にするためにはどうすればいいかを考えはじめ
試行錯誤します。
それも手に馴染んでくると、工場全体を見渡し、
どこでどんな作業が行われているかに興味がでてきます。
私は就職間近だったので、長期間そこでバイトをしたわけではないですが、
工場全体を見渡すと大きな歯車の中で働いてるんだなと感じていました。
皆が延々と自分の持ち場を働いている。
出来上がりを見ないと自分がどんな仕事に携わっているのか、
わからないこともあります。
でも、私が私の持ち場をやらなければ、
このベルトコンベアーのリズムが狂ってしまう。
歯車がひとつ欠けただけで、正常に起動しなくなる。
これから会社に就職するということはそういうことなのかもしれないな、
実感しました。
年末年始に出勤したひと達はお年玉としてお菓子ももらいました。
家族や恋人と過ごしたい人もいたと思いますが、
その中で仕事した歯車の私たちは職員の人も含めて連帯感が生まれていました。
お金を稼ぐためのバイトでしたが、
いい経験ができたと10年経った今でも忘れません。