おばあちゃんは最強の花札プレイヤーだった。

私のおばあちゃんはすごくお料理が上手で、
年末年始には「どこのレストラン!?」ってくらい、
おいしいごちそうを作って待っていてくれた。

親戚中が集まるので、お年玉はいっぱいもらえるし、
仲の良い従兄妹とも遊べて、毎年楽しみにしていた。

ある年のお正月、おいしい物をたくさん食べてお年玉もゲットして、
ホクホクしていたら、ある親戚が「花札をやろう」と提案してきた。

カードゲームが好きだった私は、迷わず参加。教えてもらいながら、
何回かプレイしているうちに、すっかりコツを掴んだ。

せっかくだからお菓子を賭けて遊ぼうということになり、
ゲームは白熱。そこに、おばあちゃんがやってきた。
「私も入っていい?」と言うので、もちろんOK。

のんびり屋だから、そんなに強くないだろうと、正直見くびっていたんだけど・・・。

まずは両手を腕まくり。ゲームがはじまると、
鮮やかな手つきで花札を操り、時に座布団に叩きつける。
親戚の誰ともレベルが違う。なんかこう、ギャンブラーって感じだった。

そんなこんなで、破竹の八連勝。
みんなからお菓子を巻き上げ、得意げに笑うおばあちゃん。

それまでのお料理上手でおっとりして・・・というイメージを覆す様に、
ただただ茫然としたっけなあ。