休みは元旦だけ百貨店務めの年末年始の楽しみかた

百貨店に勤めて10年間、
年末年始の連休というものとは縁遠い生活を送っています。

31日の大晦日は通常20時閉店のところ18時閉店なので、
早く終わるような錯覚を起こしかけますが、

何のことはないいつもの早番と同じ終業時間です。
翌日の元旦こそ休業ですが、翌々日の2日からは早々に初売りが始まります。
私の売り場は年末年始に忙しい売り場ではありませんが、
繁忙期である食品売り場などから支援要請が来るので、
自分の売り場がヒマだからと油断していたら、
一番忙しい所で怒涛の忙しさを味わうハメになります。

会社では元旦のお休みにくっつけて連休を取る人もいますが、
それも元旦込みの2連休までと制限されています。
と言っても、家族がいるから、実家が遠いから、主人の都合に合わせて、
などなど毎年何とか31日~2日まで3連休を確保する人は必ず現れます。

私はすでに両親ともに亡くなっていますし、結婚もしていないため
年末年始にはこれと言って特別な用事はありません。
せいぜい友人たちと初詣に行くくらいですが、
それも絶対しなければならないことでもありません。

なので毎年シフトを決める先輩から「今年も31日と2日は出れるよね」と、
早々に出勤者リストに入れられてしまうのです。
ですから私にとっては年末年始はあまり特別な日ではないのです。

31日の大晦日まで働いて元日に休み、また2日から仕事ですから、
いつもの休みのシフトと全く変わりません。
元旦であってもただの休日ですから、普通に洗濯もすれば掃除もするという、
一般的にはお正月にはしないとされていることも通常運転で行います。

10年間もこの生活を送っていると、
今更年末年始に大型連休が欲しいとはあまり思わなくなってきています。
反対に年末年始に働くことにちょっとした楽しみを感じています。

まず、31日の大晦日。
この日は閉店10分前から「蛍の光」が店内に流れます。
通常の閉店時には違う曲が流れるので、年に一度だけの「蛍の光」に
ちょっとレア感を感じてしまいます。
蛍の光を聞きながら「あー、今年も終わっ
たなー」と、
一年の無事に感謝するわけです。
会社を出て駅までの途中には蕎麦屋さんがあり、
毎年大晦日には店外で道行く人に年越し蕎麦をワゴン販売しています。
そこでお蕎麦を買って帰るのが私の大晦日です。

2日の初売りでは、
女子社員たちの華やかな振袖、和装姿を目にすることができます。
通常より1時間早い開店時間にも、何か特別感を感じてしまいます。

私の売り場のフロアには呉服売り場があるため、
男女共に和装姿の社員が多く、更にお正月気分を盛り上げてくれます。

初売り初日は多くの取引先のメーカーの方々が年始の挨拶回りに来られるので、
この挨拶締めも伝統的で趣があります。

百貨店は地下街と直結しており、毎年獅子舞が練り歩きます。
それを見るためその時間に合わせて休憩を取るのが、
私の毎年の日課になっています。

社員食堂も2日だけはおせち料理が出ます。でも正直美味しくないです。
ですから普通にラーメンとか食べます。

と言うことで、さほど年末年始の連休には執着心の無い私ですが、
たったひとつ駅伝はゆっくり見たいものだな、と常々思っています。

元旦に放送される実業団の駅伝は見ることができるのですが、
2日、3日の2日間で行われる箱根駅伝はいつもBSのダイジェスト版で見ています。

これがすでに結果を知ってしまっているため、
いまいちライブ感を味わえないのです。
だからと言って駅伝のために元旦から3日まで3連休なんて取れるはずもなく、
これは仕事を辞めてからの楽しみにしたいと思っています。